コンテンツの機会損失を計上する
Communication breakdown
It’s always the same -James Patrick Page
『コンテンツをリニューアルして、ビジネスチャンスを拡大しましょう!』
多くのwebプランナーが口にする売り文句であり、企業のweb担当が予算を獲得する際にもよく耳にする『第一声』です。
『そうは言っても予算が…』『先行投資の優先順位が…』
そんな冷水を浴びせられる様子が目に浮かぶようですね。そして、失意の提案者も、提案を受けた意思決定者も、家族や同僚に似たような感情を吐露している光景が見えます。
『あの人は何もわかっていない』
これは悲しいすれ違いですよね。提案者も意思決定者も、どちらも組織のさらなる繁栄を願っている。よかれと思ってすれ違っているわけです。しかし、この構造は、世界全体で見れば毎秒数百件くらいは起こっていそうな、非常によくあるすれ違いです。
ビジネスに起こるコミュニケーション・ブレイクダウンは、いつもこうだということ。
コニュニケーションの意味は、受け取った相手の反応です。あなたが何を伝えようとしたかではなく、相手にどのように伝わったかということ。提案が相手に刺さらなければ、提案の仕方に問題があったということです。あなたが相手を騙そうとしたのでない限り。
さて、冒頭のメッセージが相手に刺さらないとしたら、どこに問題があったのでしょうか?
▼2種類のモチベーションを使いこなす
『コンテンツをリニューアルして、ビジネスチャンスをもっと拡大しましょう!』
この文脈を、裏返して見てみましょう。
『イケてないコンテンツを放置していることは、ビジネスの機会損失です』
どうでしょうか。提案の格がひとつ上がった感じがしませんか?
決断につながるモチベーションには、『向かう動機』と『避ける動機』とがあります。避ける動機―つまり、『そうはなりたくない』『このままではマズい』という感情は、動物的本能から生まれるより根源的な欲求に結びついています。これは大変パワフルなものです。
図:心に火がつく、お尻に火がつく
優れたプレゼンターやコンサルタントは、こうした危機喚起の扱い方が巧みです。『このままではいけない!』と重い腰が持ち上がったところに、新しい船を指し示すわけです。
Point: 避けたい未来を明らかにする