プロジェクトを始めるために
■コンテンツ開発(または再開発)プロジェクトを始めるために必要なこと
私たちは、勝てるストラテジー(戦略)をもったコンテンツ制作を重視しています。勝てる―つまり、ビジネス目標を確実に達成するコンテンツ戦略を生み出し、それを実行するためには、組織に戦略のソフトをインストールすれば大丈夫です。インストーラの作り方を2つ紹介するので、ぜひ使ってください。びっくりするほど簡単ですよ!
インストーラの使い方は非常に簡単なのですが、まずは、その準備段階として、『そもそも、戦略って何?』を掘り下げて理解しておきましょう。
▼ビジネス・プランニングの5つのレベル(キース・V・D・ハイデン)
・フォーマルなプランニングは、財務面が中心になりがちだ。業績を測る一番重要なモノサシがお金だからである。
・しかしプランニングにおいては、根本に立ち返って考えなければならないポイントがある。
・マネジメント・チームの多くは、戦略にもとづいて予算や計画を立てる必要があると思っている。
・組織には実行できるキャパシティ以上にやらなければいけないことが多く、したがって、選択が求められると考えるのである。
・何を選択するかはインフォーマルに議論され、直感的に多くの選択がなされる傾向がある。その選択がチーム以外のメンバーに十分説明されず、重大な考え方の違いを引き起こすことになる。
・この問題を解決できなければマネジメント・チームはバラバラになり、組織に向かって一貫性のないシグナルを送ることになる。
引用:『シナリオ・プランニング』(1998・ダイヤモンド社・キース・ヴァン・デル・ハイデン著/グロービス監訳)より一部要約のうえ抜粋
プロセスチャート:戦略プランニング‐マスタープランニング‐プロジェクトプランニング‐予算計画‐評価とコントロール
【戦略プランニング】
戦略プランニングのゴール:戦略目標の定義
戦略目標=組織の方向性=(事業ポートフォリオ)×(組織能力のオプション)/経営資源の制約
・未来を探索すること ・組織のビジネス・モデルと関連付けて戦略を策定すること
・戦略を複数の未来と照らし合わせてテストすること
・事業部門と組織全体の両建てで行う
組織能力のオプション…{資産 法的位置 評判とブランドイメージ 人的資源 知識 プロセス 企業文化}
事業ポートフォリオ…{市場 チャネル 新規開発 価格 プロモーション}
経営資源の制約…{金融資源 物的資源 人的資源 マネジメントのスピード}
【マスター・プランニング】
マスター・プランニングのゴール:組織の縦横の連携→組織全体への経営資源の分配
・すべてのプロジェクトの一貫性を保つ
・いくつかのプロジェクトをまとめた総合的な費用対効果を検討する
・プロジェクトに必要な経営資源が不足していることに対処するための、横断的な調整
・プロジェクト・プランニングと連携して進める
【プロジェクト・プランニング】
プロジェクト・プランニングのゴール:メンバー各自が何をなすべきかを具体的に示した詳細なステップを作り上げること
・プロジェクトの礎となるインフラを明らかにする
・他のプロジェクトと連携を取りながら進める
・戦略プランとマスター・プランを、個人やチームが実行できるプロジェクトに置き換える
・責任の配分と、マイルストーンの策定、進捗を評価するための軸を確認
いかがでしょうか?戦略とは一体何なのか、全体像がつかめてきたでしょうか?
ビジネスの中で、『何をやるか?(what)』の選択肢は常に膨大であり、それを『どうやるか?(How)』の選択肢は無限に近い数になります。そこから議論をスタートさせると、たちまち話は宙をさまようことになるものです。
議論は、戦略から始めます。戦略とは、組織の方向性。『なぜやるのか?』と、『なぜそれが可能なのか?』(Why?)を組織全体で確認することです。
では、Why?を明らかにし、組織全体で共有するために、話を進めていきましょう。今回の話は、コンテンツ制作のプロジェクトを考えるときだけでなく、経営全体の意思決定を見直すうえでも大変役立つ枠組みを紹介していくのですが、一旦コンテンツ開発の話に焦点を合わせますね。
Point: プランニングの5つのレベルと、Why-How-Whatの順列を意識する
